季節はずれのストーブ

人生五十余年紆余曲折あり、いろいろな人間関係を築いてきましたが、アンティーク収集のおかげで、またひとつ新領域の人脈が拡がっていくのが又たのし、です。

 

先週のマーケットで入手したのがこの二台のストーブ。季節はずれの暖房器具とはいささか気後れしたのですが、なかなかお目にかかれないアラジンとバーラーのほぼ未使用でかつ原色デザインとあってみれば買わずにはおれませんでした。

 

売り手はたぶん僕とタメ歳のデブおやじ。2トントラックにお宝を満載してロンドンの(ときに北米まで出掛ける)あらゆるマーケットに現れます。先週どこかのお屋敷の整理でいっせいにお宝が出たとかで買人たちがトラックの回りにうようよ群がっていました。

 

その狂騒に加わって得たのがストーブ。上の画像1~6はアラジン、画像7~9はバーラーの石油ストーブです。

 

アラジンは僕が子供の頃すなわち60年代は文字通り石油ストーブの代名詞でした。親が国産コロナやトヨストーブのことを「アラジン」と総称して言っていたのを記憶しています。そのアラジン本社はロンドンのGreenfordという郊外の街にありまして、実は今住んでいる近所、という奇遇です。バーラーもまた古い日本人には馴染みのある名前だと思います。

 

かって英国ではたくさんのストーブメーカーがあったのに、いまはさっぱりです。昔は英国も日本と同じで石油を缶で届けてくれる特約店があったといいます。しかし、セントラルヒーティングの普及で石油ストーブを使う家庭はなくなってしまったのです。だから未使用デッドストックの石油ストーブが出やすい環境にあるともいえます。

 

二台のストーブは両方ともひとつのお屋敷から出たものだそうで、梱包箱も残っています。梱包箱に底に古い新聞が束で入れたときのまま開封されずに残っていました。新聞の日付は1973年。その日の日刊新聞は17歳の少年がテニスで世界を制覇したと伝えています。プレーヤーの名前はボルグでした。