スポング社キッチン用品 ビーンスライサー

1856年ロンドン郊外の北の村に一軒の鍛冶屋が創業しました。社長のジェームズ・スポングはまだ16歳の少年でした。「家事マシーン」と俗称された安価な台所用品を生産販売して業績を伸ばしました。

 

たとえばその代表例がミンサーです。英国料理にソーセージは欠かせません。スポングの業績は著しく1880年代には肉を挽いてミンチ肉を作るミンサーは、当時のビクトリア女王皇室にまで聞き及ぶところとなったそうです。

 

ビクトリア時代から二十世紀初頭にかけ中産階級の家庭では、女中を雇うほど裕福じゃないけど、家事の労力を軽くしてくれる便利なキッチン用品なら買いたい、ということで様々な工夫を凝らしたアイデアに満ちたキッチン用品が続々と生産され売れました。

 

スポングはミンサーで有名ですが、ナイフ研ぎ器、グラインダー、チーズグレーター、スパイスミル、コーヒーミル、そして狩猟の罠まで鋳鉄製のものはなんでも製造し、1980年代までに百以上のパテントを持っていたといいます。

 

画像の品は、ビーンスライサーです。上部の穴からインゲン豆のような鞘豆(英国ではフラットビーンという鞘豆が一般的です)を差し込んでハンドルを回転させると斜め切りの豆スライスがどんどん出来ます。

 

今は台所用品もすべて電気仕掛けのものが中心でこれを使って料理する家庭はイギリスでもほとんどありません。鋳鉄の重みとカラフルな彩色が目福なので、こちらでもインテリアとしてキッチンに飾る方が多いです。