イギリスは元祖オタクの国。
駅プラットフォーム、線路脇、滑走路周辺の空き地まで、かの人々はどこからともなく、でも示し合わせたように出没する。
英語ではTrainspotterとかAnorakと云う。アノラックはいつも着ている服装だから。
今日紹介するのは、古い鉄道用信号カンテラ。灯油式のランプだ。
トレインスポッターやアノラックとは少し違うRail Fanと呼ばれる鉄道愛好家には垂涎モノ、そうでない骨董好きの人々にも大人気のアイテムだ。
1930年から40年代のもので、電池式ランプが普及する以前のものだ。
これは炭鉱のマイナーランプとよく似たストーリーだ。
実際のこの形のランタンは炭鉱でも使われていた。
全体にブリキ製。
前照灯の窓は当然ながらガラスだ。
胴体の中に回転式の円柱が差し込間れている。
円柱には大きな丸窓が三つあって、赤、青そして透明のフィルターが入れてある。
フィルターはセルロイドか何かと思って触ったら、なんとこれも全てガラスだった。
円柱のてっぺんのハンドルを回すと、信号色が変わるという仕組み。
以前から欲しいと思いつつ、写真を眺めるのみだったが、先週日曜の朝市でこれをトラックの座席に大切に置いているオヤジに遭遇。
いくらだと聞くと、ちょっと高い金額だった。
負けてくれないかと言うと、オヤジは憮然と
「びた一文(筆者註:Monとは言わないPenceだが)負けれらない」
とビシッと一言。
決め手は胴部横の浮彫りイニシャル"B.R"だった。
Brirish Railものは格が違う。
出会ってしまったものは仕方がない。
鉄道発祥にして、元祖鉄オタの国に敬意を込めて、買っちゃろう!
ということでめでたく我が家に連れ帰ったのだった。
それにしても、この灯油カンテラ、予想以上に明るいのに驚いた。さすが鉄道仕様だ。
高さ:30cm
前照灯の直径:12cm